北海道岩見沢の洋菓子店 赤いリボン|バウムクーヘン・とろとろプリン

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メープルストーリー

第3回 メープルシロップの作り方

1回目、2回目とカエデについてのお話しをしてきましたが、いかがだったでしょうか。
  カエデが日本人の私たちにも馴染み深く、メープルシロップとしてだけでなく木材や美術品としても身近に存在しているものだということにちょっと驚かれたかもしれませんね。

  今回はいよいよメープルシロップの作り方についてのお話しをしてゆきたいと思っています。

  まずはカエデの幹に穴を開けて樹液を採ることからはじまります。樹液が採取できるカエデは幹の直径が25センチ以上あるもの。その太さになると幹を傷めず採ることができるといいます(通常30年ほどかかるそうです)。穴を開けたところに管を差し、そこから容器に溜まるよう導きます。樹液の採れる量は一日約0.5リットル程度。昼と夜の温度差が大きいほうがたくさん採れます。
  次は採れた樹液を鍋で煮ます。採れたての樹液はさらっとしていて甘みが薄くこのままではシロップとして使用できません。シロップとして一番適した甘さ(糖度66~77Brix%)になるまで鍋で煮詰めます。強火でぐつぐつと煮立てるうちにあくがたくさん浮いてくるのでこまめにすくい取ってゆきます。ちょうどよい糖度になったところで火を止め、メープルシロップのできあがりとなります。このようにメープルシロップはカエデの樹液だけからできています。砂糖も香料も水も一切加えません。純粋な自然食品だからこそこの美味しさを引き出すことができているのだと思います。

  カエデのもつ性質や季節的な変化を適切に見極め、工夫しながら利用してきた昔の人々の知恵がメープルシロップの作り方には詰まっているといえるでしょう。 生きた植物からその生命の源ともいえる樹液を採取してシロップを作るということですから、樹へのいたわり、なるべく幹を傷めないような採取の仕方、開けた穴の復元方法などカエデと共存するために様々な模索をしてきたようです。
  長い年月を経て、良質でよい樹液がとれてしかも樹をなるべく傷めない方法が今日産み出されました。こうした昔の人の努力を経てメープルシロップがテーブルに置かれ、または様々なお菓子や料理となって私たちが口にすることができるようになったのです。

  カエデの樹と昔の人への感謝の気持ちを忘れずにメープルシロップを味わってゆきたいものですね。

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