メープルストーリー

  1. 第7回 メープルシロップの味

第7回 メープルシロップの味

以前にもお話ししたように、メープルシロップはカエデの樹液から作られた天然の甘味料です。砂糖も蜂蜜もメープルシロップももとは同じ植物からとれた天然の甘さ。 人口甘味料とは違って自然の「うまみ」を感じられるのが特長です。 砂糖と同じ砂糖キビが原料の黒糖や三温糖は、色の濃さからでもわかるよう に砂糖キビの「うまみ」がとてもよく感じられますし、蜂が花から集め貯蔵した甘味料の蜂蜜は、一緒についてきた花粉の「うまみ」を伝えてくれます。それらはやはり人口につくられたものには無い個性を持っていて、 料理やお菓子に甘さとともにアクセントをつけてくれます。

メープルシロップももちろんそれらと同様に天然甘味料ならではの「うまみ」 をもっています。カエデの木の樹液を煮詰めて甘味料としたものですから、その中には樹の持つ「うまみ」がつまっているともいえるで しょう。例えるならば、洋酒のバーボンの香りのような香ばしさ。砂糖キビの草のもつ青い「うまみ」とも蜂蜜の花の蜜の粉っぽい「うまみ」とも違う、ログハ ウスの中にいるような燻した樹の「うまみ」を感じます。

初めてメープルシロップを口にしたときのことを思い出してみてください。 蜂蜜とも砂糖とも違うすっきりとした甘さが口の中に広がったのではないでしょう か。
独特な木の香りがするのにも関わらず後口はくどくなく、みずみずしさが印象に残ったことと思います。

メープルシロップは香りの良さが命。フレーバー・ティーだけでなく、バニラ ・シュガーや花の種類を限定した蜂蜜など様々な香りの甘味料が人気の今、メー プルシロップに「~フレーバー・メープルシロップ」というものはあまり聞きません。そのことは他のフレーバーをつける必要がない美味しさがあるということではないでしょうか。メープルシロップ独特の香りが他のフレーバーと合わさってもよい結果を生まない、それだけ他とは違った傾向の味・風味・フレーバーを 持っているのだと思います。

他のフレーバーと合わせることが少ないメープルシロップですが、バターや洋酒との相性は良いようです。バターとの相性の良さはホットケーキを召し上がったことのある方なら誰でもお気づきになっていることでしょう。洋酒は、言うまでも無く同じ産地のカナディアン・ウィスキーやバーボンと特に相性が良く、メ ープルシロップを使ったお菓子作りによく使われているようです。

メープルシロップ固有の味・香りを損ねないように料理やお菓子に使ってゆくことが、メープルシロップの美味しさを確かめる一番の方法のようです。

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